イギリスの大学へいこう思ったのは14歳の時。
はっきりとした理由なんてなくて、ただ漠然と、でも絶対に揺るがない決断でした。
行ったこともない未知のこの国に、情熱的に惹かれました。
当時持っていたイメージは、古典的で重みがあって、素朴な国。
16歳で初めてこの地を踏んた時、あまりにその通りで、景色も匂いもやけに懐かしい感じがしたものです。
その頃から比べると、イギリスはだいぶ変わりました。
前のような緩やかでレトロなスピードはなくなり、人々の感性も多様化してきて、
全体がどこか希薄な雰囲気に流されている気がする。
それはグローバルな消費社会の兆候でしょうか。
イギリスらしさが、どんどん失われてきている気がします。
人も町も田舎も、それらを取り巻く全てにおいてどこかいつものろのろしていて、
慌てていないで、だからこそ「まあお茶を一杯」という、穏やかで牧歌的なティーの時間がイギリスを象徴していたのではないかなと思う。
今のイギリスは、穏やかさや丁寧さからくるものよりも、
どちらかというと慣れないスピードにばかり心を奪われて、
盲目で、ただ怠惰に無感情になってしまっているいるような、
そんな感じがします。
もちろんイギリスらしさはまだ至る所にあふれていて、
そういう場面や人に出くわすと、なぜかほっとしてしまうし、
すごく嬉しいからずっとこれからも守っていきたいなあと思う、日本人の私です。
新しいものを拒否するつもりもないし、
古ければ何でもいい、というわけではないのですが、
時を経てきたものの持つ温度や質感だけではなくて、
影のようなものが好きです。
その影とは、暗くて黒いネガティヴなものでは決してなくて、
時間の層から降り注ぐ、むしろオーラのようなもののことです。
それはつくり手の、持ち主たちの、過ぎ去った時間からくるもので、
静かに今発せられているもの。
そのものを今象っているもの。
チャームポイントとなっているもの。
古いものがお好きな方なら、なんとなく分かって下さるかな。。
有名なものも、そうではないものも、
お値段が張るものも、そうではないものも、
古いもの は、みなそういう影を持っているものです。
そこが魅力だと私は思います。
たいして物に執着も欲もさほどない方だと自分では思いますが、
古いものに囲まれた時は別のはなし。
好みの影をもつお方(もの)に会えると、胸がときめきます。
イギリスから、愛らしい影をもった古いものたち、
これからもずっとつないでいってあげたいようなものたちを、
私から、「ぴん!」と伝心してくださった方へ、お届けできたら。
do-u (どう)... 果てしない永遠の「道」、止まることのない水の流れのような「動き」
ひと も もの も、それらを取り巻く全ても、不動に、つながっていく道のよう。
そんな意味を込めました。
長い道をすでに通ってきた、そしてこれからもずっとつながっていってほしいような、イギリスの古くて温かいものを心を込めてセレクトし、イギリスから直接お届けします。
全て私独りで管理、運営しておりますので、こちらものんびりスローペースとなりますが、
どうぞこれからよろしくお願い申し上げます。
+douはオープンの2011年から、東日本大震災、及び福島原発問題からの復興を願って、影ながら売り上げ金額からわずかではございますが募金をしております。これからもその意向を持って運営していきたいと思っております。
また募金の際は、ご報告としてその都度記事に書かせて頂きます。